投稿者「アートミーツ ケア学会」のアーカイブ

オンラインジャーナル第9号の投稿募集のご案内

オンラインジャーナル第9号は2018年3月末発行予定です。

つきましては、みなさまから論文、実践報告、研究ノートの投稿を募集いたします。

テーマ:アートとケアの関わりに対し、社会的な問題意識と自由な発想にもとづくもの。

投稿の締切 :2017年8月31日(木)


 ◎ 日頃の実践をまずは言葉にしてみたい方、ぜひ実践報告研究ノートからチャレンジして

    ください。

 内容を応用して論文にステップアップしていくことも可能ですので、多くのみなさまからの

   ご応募をお待ちしております!

 

第9号募集要項(pdfファイル)、第9号申込用紙はこちらからダウンロードできます。

 ※投稿区分によって、審査方式が異なります。募集要項をよくお読みください。

 

投稿案内 

 ※よくお読みのうえご投稿ください。

 

★投稿申込用紙をダウンロードして必要事項をご記入のうえお申し込みください。

★何かご不明な点がありましたら、事務局までお気軽にお問い合わせください。

オンラインジャーナルvol.8 総評

オンラインジャーナル第8号発行に寄せて

病院をギャラリーにみたてた展覧会や、ホスピスでのワークショップに関わって、かれこれ10年近くになります。美大を退職したあとも、ボランティアとして引き続きアートとケアの出会いをつくるチャンスに立ち会ってきました。その感想は、一言でいえば、芸術と医術(医学)のあいだの溝は、いまだ大きいということです。医療スタッフと美術関係者が口にする「いのちのやりとり」の温度差は、感覚的にも制度的にも、むしろ広がっているようにさえ感じることがあります。書店の棚や図書館でも、アートとメディシンの領域分類は以前の ままで、両者が重なる潮目の豊かさに気付いていないのが実情です。

今回のオンライン・ジャーナルへの寄稿のひとつ、『日本の医療現場におけるArt and Designに関する基礎調査−現状把握を目的としたインタヴュー調査を通して』 は、これからのアートミーツケアの活動の現状と将来への具体的な資料を提供しております。公立および民間の総合病院や診療所などの患者、 医師、看護師、管理者からのアートとデザインの導入に関する聞き取り調査の報告です。全体としては患者や医療者から歓迎もしくは好意的な 感想が聞かれ、活動への期待と感謝を表明であり、「もし病院でのアートがなければ、さぞかし殺風景で味気ない日々の生活を送ることになっ たはずです」といった感想が、私たちを勇気づけてくれます。

しかしながら、実際に病院での「アート」の導入に関わってきた一人として、これからは単なるアートやデザインの出し物 やアイテムを考えるだけでは、やがて行き詰まってしまうような気がしてなりません。とくに医療現場の特殊性やそこから生じる制約にたいし て、日頃から「創造的」に働きかけてゆくことのできる「アートコーディネーター」の採用が急務と思われます。コミュニケーションのちから を含めた「アート」の潜在力を引き出し、組織全体に浸透させるだけの「デザイナー」の養成が求められています。

報告にあるように、画家、彫刻家、デザイナーがそのまま作品を持ち込んでも、そのままケアになるとはかぎりません。健康な人間による能天気なお遊びではなく、病める者の嫉妬の対象にならないような届け方を工夫するには、医療現場に流れる日常の時間と空気 を年間の行事を含めて吸っていることが求められます。医療者の方も、アートが目の保養あるいは無いより在った方がましという意識に止まっ ている病院では、活動も先細りとなります。医師や看護師のアートの催しにたいする無関心あるいは無視があるとすれば、その根本には、我が国の芸術教育の根付きの浅さによるのかもしれません。

にもかかわらず医療現場でのアートやデザインの潜在力に期待し、具体的な活動の機会をつくっているのは、病院のトップ であり、その意を受けたアートの好きな医療者や事務方の感度と熱意であることは事実です。アートとケアの実りある出会いを創っている院長のことを、これまで「アーティスト」あるいは「デザイナー」と呼んできましたのはそのためです。

今号では、医療現場を舞台にした論考が多く揃っているだけでなく、メンタルヘルスにかかわる当事者のパフォーマンスに関する意欲的な論考も並んでいます。

アートとケアの実りある出会いの場をつくりだし、活動をつづけ、それらを研究されている方がいることにあらためて、意を強くしています。

みなさまにこのオンラインジャーナルを大いに活用していただければ幸いです。

 

オンラインジャーナル編集委員長

横川善正

 

オンラインジャーナル第8号

[表紙]

 

[論文]表現を通した「生きづらさ」の飼い慣らし -「弱さ」を分析視点として

著者:杉本洋

 

[論文]日本の医療現場におけるArt and Design に関する基礎調査 ―現状把握を目的としたインタビュー調査を通して―

著者:宮坂真紀子、山口(中上)悦子、鈴木理恵子、山野雅之

 

[実践報告]病院の施設管理に必要とされるアートとデザイン

著者:小松友、山口(中上)悦子、川端秀治、仲谷達也

 

[研究ノート]医療現場における芸術の意義についての一考察 ― 佐久総合病院訪問記 ―

著者:山口(中上)悦子、鈴木理恵子、宮坂真紀子、山野雅之、伊澤敏

 

 

アートミーツケア学会大会 2016年度総会・大会 @札幌

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日時:2016年11月5日(土)ー6日(日) ◎お申し込みはこちら→フォームへ
会場:札幌市立大学 芸術の森キャンパス(アクセス)
大会テーマ:風景とラディカルケア

風景とラディカルケア、なんと実験的なテーマでしょう。
学術的には「風景」は景観と区別され、人の意識により創られるものとされています。
つまり、同じ場所に立ちながらも人によって見えるものや見え方は異なるということを意味します。
また、「ラディカル」は急進的なといった意味と同時に根本的な・根っこのといった基礎的な意味をも含んでいます。
これらにより、本テーマは「人それぞれによる見え・あたらしく、本来のケア」という内容を持つことになるのです。
みなそれぞれの経験や価値観が広がる、優しくておおらかなフィールド。
文化・芸術を中心としたまちづくりを行っている札幌という場、私たちの気持ちを掻き立てるテーマ、設立10年目の記憶に残る大会になるのではないでしょうか。

【プログラム1日目・11月5日(土)】

12:30~13:30 受付[エントランス]

13:30~14:00 開会セレモニー 開会挨拶:蓮見孝(大会長、札幌市立大学 学長)

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アイヌ舞踏「チカプウポポ」/札幌アイヌ古式舞踏保存会

 

14:15-14:20 オリエンテーション

14:20-14:50 基調講演「風景とラディカルケア」山田 良(札幌市立大学 准教授)

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一見しただけではつながりがイメージしにくい、「風景」と「ケア」。
おまけにラディカルとはどういうことなのでしょう。
作品を紹介しながら、今回の大会テーマを参加者のみなさんと共に共有していきたいと思います。

 

14:50~15:10 オンラインジャーナル特別選奨者発表 

「大道芸と笑いの体操を組み合わせた『笑い』の
レクリエーションの老人介護施設における実践報告」
amc16-03 田久 朋寛(大道芸人)
オンラインジャーナルに掲載された論考の中から、
編集委員が「これは面白い!」と膝を打つようなものに授与される、
オンラインジャーナル特別選奨。初の受賞者がその内容を報告します。

15:20~16:20 札幌国際芸術祭2017記念講演

amc16-04 ビデオメッセージ:大友良英
(音楽家 / 札幌国際芸術祭2017 ゲストディレクター)

 

講演01「市民力とアート」

amc-movie01 上遠野 敏(札幌市立大学 教授)

「赤帽ハイパーレスキュー六地蔵 ー巡礼する地蔵車ー」そらち炭鉱の記憶アートプロジェクト2014の出品作品。世界初のお地蔵様自体が巡礼する赤帽車、いつでもどこでもお助けに参ります。夕張市清水沢会場から三笠市奔別会場までの展示会場と炭鉱の関連施設を巡回しtwitterで居場所や出来事をつぶやきます。

 

講演02 「音楽とコミュニケーション」

amc16-05 立花 泰彦(Elc & Wood Bass)

精神障害という診断を下された人たちの多くは、他者とコミュニケーションをとることが苦手です。一方、音楽の場合、演奏の現場では常に他者とのコミュニケーションが飛び交っています。そこで、一つだけルールを決めて即興演奏をはじめました。そのルールとは<一緒に演奏している人を見ること>です。今日は、僕がこれまで音楽の現場で感じてきた、音楽とコミュニケーションに関する話を少しします。その後、ひがし町パーカパッションアンサンブルの演奏をお聴きください。

16:20~16:50 ディスカッション 
山田 良、 上遠野 敏、 立花 泰彦
[コーディネート] 森口 ゆたか(近畿大学 文芸学部 教授)

大会1日目の前半で報告されるのは、舞踊、建築、アートプロジェクト、音楽など、異なる視点による、アートやコミュニケーションの実践です。ここまでの講演・パフォーマンスをうけて、あらためて今回の大会テーマ「風景とラディカルケア」に深く迫っていきます!

17:00~17:30 アートミーツケア学会総会
札幌市立大学 COC事業の取り組み・キャンパス案内

18:00~19:40 懇親会ごちそうキッチン 畑のはる/参加費4,000円)
*17:40にエントランスにお集まりください

大会会場横の美術館内にあるレストランです、自然の景色を眺めながら、旬の野菜をメインにしたお料理とお酒を楽しみましょう!会員の方も、そうでない方も、登壇者も自由に交流する時間です。
大会長のレクチャー「お酒とケア」も実施します、ぜひご参加下さい。

◻︎バス時刻 (発)芸術の森入り口→(着)真駒内駅 19:53→20:08 / 20:13→20:30

 

【プログラム2日目・11月6日(日)】

09:30~10:00 受付[エントランス]

10:00~12:00 プレゼンテーション

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12:00~13:00 昼休憩  

*昼食についてー大会会場周辺は飲食店がありません(コンビニ1件のみ)。学食も営業しておりませんので、大会事務局で用意するお弁当の申し込みをおすすめ致します。

13:00~13:30 ポスターセッション(展示発表)

会員のみなさまによる研究発表や、実践報告を行います。各会場の詳細やタイトルは当日お配りする資料をご覧ください。アートとケアにかんする多様な発表が目白押しです。

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13:30~16:00 分科会1&2 

分科会は選択制となります。それぞれ自由に出入りしていただけます。また、「車座(くるまざ)分科会」として、仕切りのない大空間で各分科会が車座形式で行い、参加者は自由に移動できます。アートミーツケア学会ならではの風景を描き出そうとするラディカルな分科会です。
ARTmeetsCARE_校正_10 このマークのある分科会が、「車座分科会」です。

 

13:30~14:40 分科会1 A・B・C・D・E

A 人を人の立場にもどすポトス ーインクルーシブなコミュニティをめざしてー

宮田 美光(アートユニオン・オコック)
銀田 ゆみ子(しゃ~みん 主宰)
木ノ戸 昌幸(NPO法人スウィング)
地域が抱える問題に向き合いながら、多様な人がつながる寛容な場が全国でつくられています。ここでは、障害のある人との表現活動や音楽活動の報告とともに、だれも
が自分らしく暮らせるような、これからの地域社会のあり方を考えます。各地の取り組みから、現代の日本が抱える閉塞感を突破するヒントが見つかるかもしれません。

B 「能動アート」型ナースコールワークショップ ARTmeetsCARE_校正_10

三谷篤史(札幌市立大学)

矢部剛生(株式会社ケアコム)
ナースコールの機能を持たせたモジュールに,使用者自らが自由に形状や装飾を付加することで,愛着感のあるナースコールを制作するワークショップを実施します。無機質な工業製品であるナースコールと使用者の関係が、能動アートによってどのように変わるのか、体験しながら議論したいと考えています。

C 食支援アート看護技術(アート)としてのスプーンテクニックの可視化できるか

田中 靖代(気の里ナーシングホーム)
村松 真澄(札幌市立大学)
松永 康佑(札幌市立大学)
嚥下障害を持つ患者に対しての看護技術としてスプーンテクニックがあります。この技術を伝授するためにこれまで言語や動画を用いてきたが限界がありました。そこでモーションキャプチャーを用いて、技能者の所作を記録、再現することで多角的に動きを捉え、初学者に対する新しい教育教材の可能性について検討します。

D 子どもに限らず「誰もが一緒に楽しむことができるアート」 ARTmeetsCARE_校正_10

小宮 加容子(札幌市立大学)
菊地 雅子(かたるべの森美術館・芸術指導)
松尾 友絵(札幌市立大学 あそびlab!オヘソ)
近年、障がいのある作家が制作した作品が大きな注目を集めています。アールブリュット活動紹介を中心に、年齢差、障がいの有無に関係なく、だれもが一緒に作品づくりを楽しむためにはどうしたらいいのか、みなさんで考えましょう。会場には2015年2月のアールブリュットフォーラムで実施したワークショップの場を再現します。

E アートとセラピーの間でケアにできること ーダンス作品「MU」をめぐってー

古賀 弥生(活水女子大学)
マニシア(ワレワレワークス、ダンスセラピスト)
SHINJI(ダンサー)
映画を見たり劇場や美術館に行ったりして、現実とは異なる世界へ導かれることがあります。このときに引き出される感情はどのように消化されるのでしょうか?統合失調症の息子をもつ母親の経験が投影されたダンス作品を鑑賞したあと、「引き出された」状態の鑑賞者をどのように「ケア」するのか、「ケア」の現場でこの作品を育むことが可能か、考えます。

 

14:50~16:00 分科会2 F・G・H・I

F スピリチュアルケアとアート

秋田 光彦(浄土宗大蓮寺・應典院住職)
坂倉 杏介(東京都市大学都市生活学部准教授、三田の家LLP代表)
人間丸ごとを受け容れるケアとしてスピリチュアルケアが関心を集めています。多死社会、単身急増社会に直面する今、死を排除せず、日常の生活の一部としてとらえる試みがあります。生と死をつなぐケアとアートとは何か。医療、宗教、教育など多様な視点からともに考えます。

G ウェルネス・癒しのケアをデザインの視点から考える ARTmeetsCARE_校正_10

仁田 新一(日本統合医療学会 理事長)
猪股 千代子(札幌市立大学)
柿山 浩一郎(札幌市立大学)
世界と日本のトレンディな統合医療の現状と課題、癒しをめざすアートフルケア・自然治癒力を高める統合医療ケアの実践例や、悲嘆回復過程に寄与するモノづくりの実例など、3人の講師のキートークをもとに、デザインとコラボすることでの可能性や今後の方向性について、参加者と意見交換を行います。

H ケアの現場におけるアートの可能性 ARTmeetsCARE_校正_10

日野間 尋子(びょういんあーとぷろじぇくと)
ブルース・ダーリング(アートと高齢社会研究室)
中田 亜由美(札幌市立大学)
「医療の場に芸術を」という活動が、日本でも徐々に浸透し各地で広まりを見せています。私たちの健康は、生活環境や自然環境に左右されます。当然ながら、医学的な治療に加え、病院の建物や内部空間は大きな意味を持ちます。ここでは、ケアの場におけるアートが持つ‘こころに働きかける力’に注目し、建築、デザイン、看護の視点から国内・海外の事例を考察します。また、札幌での「びょういんあーとぷろじぇくと」の取り組みを紹介します。

I 多様な経験を生かし合うことはできるか? ーワークショップをして語り合う会ー

三宅博子 石橋鼓太郎 井尻貴子 長津結一郎
(NPO法人多様性と境界に関する対話と表現の研究所)
障害当事者が抱える「孤立」という問題の背景には、その人の体験が他者と共有されなかったり、聞く耳をもたれなかったりすることにあるのではないでしょうか。本研究所ではアクションリサーチを行い、個人の体験や経験を自然なかたちで他者と共有できるようなワークショップの開発を目指しました。これまでの進捗過程の報告とともに、開発したワークショップを参加者のみなさんと試してみます。

◎映像展示◎ 「キュアと美が出会うとき」

前田 憲昭 (医療法人社団皓歯会)
森口 ゆたか (近畿大学文芸学部教授)
岸本 康( Ufer! Art Documentary)
歯科診療における手の動きと、その手に適合するように開発されたミラーの動きを中心に、安全な治療は優しい動きに通じることを、また見えないところを診るために使用するミラー、その大きさは、眼が認識できる範囲( 鏡に映っているからと言って、すべてが認識されていません)に究極まで絞り込まれた像をご紹介します。

◎展示◎ 「北海道障がい者アート展 in 札幌市立大学」
一般社団法人 北海道チャレンジドアート&プロダクツ
北海道アール・ブリュット・ネットワーク協議会

 

◆◇参加申し込み方法◆◇

1.受付申し込みフォームにご記入のうえ、学会事務局まで、E-mail 、または Faxにてお申し込みください。ウェブ上でも受け付けております。お申し込みフォームはこちら→フォームへ

2.参加費(懇親会費含む)をご入金ください。
郵便局の郵便振替をご利用ください。
振込手数料はご負担願います。
振り込み用紙の受領証をもって領収証にかえさせていただきます。
通信欄に「振込内容(内訳)」をご記入ください。
 口座記号・番号  00920-4-252135
 加 入 者 名  アートミーツケア学会

3.お申し込み完了となります。

◆◇参 加 費◆◇

 

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◆◇申し込み期限◆◇ 2016年10月25日(火)

一旦ご入金いただいた参加費は、原則としてご返金いたしかねますので、あらかじめご了承ください。

 

◆◇お申し込み・お問い合わせ先◆◇ 

〒630-8044 奈良市六条西3-25-4 一般財団法人たんぽぽの家内
Tel.0742-43-7055  Fax.0742-49-5501
E-mail art-care@popo.or.jp

お申し込みフォームはこちら→フォームへ