NEWS / 2021/11/4

アートミーツケア学会2021年度総会・大会

震災から10年。1分、1日、1か月、1年、過ごした時間の集積です。

今回の大会の会場はせんだいメディアテーク。震災後の5月には、映像や写真などさまざまなメディアをアーカイブする取り組みをはじめました。10年がたってようやく語り始めた人もいるといいます。そこにあるのは、その地で生きた/生きている人の声や想い、体験の記憶です。

「ケア」と呼ばれる現場にもまた、さまざまな声があります。はっきりとした主張や困りごともあれば、か細い声や言葉にならない声も。みえにくく聞こえにくいものに心を寄せて、対話をし、すこし近づいたり、知ろうとしたりすること。ここにケアやアートの源泉を見ることができるように思います。

東北の土地や人の佇まいに根付いているもの、あるいはひととき、途切れてしまったもの。自然への畏怖、農と芸能や表現の境。さまざまな声に耳をすまし、これからの言葉をつむぐ時間を共に過ごせたら幸いです。

2021年度の総会・大会には3つのプログラムがあります。

[1] 11月5日(金)- 12月2日(木)
フリンジ企画 / 参加費無料

※企画内容によって事前申込の要・不要など詳細が異なります
→ 詳細を見る

[2] 12月3日(金)
前夜祭 /
参加費無料
※企画内容によって事前申込の要・不要など詳細が異なります

→ 詳細を見る

[3] 12月4日(土)・5日(日)
総会・大会 / 要申込・有料

→ 詳細を見る

チラシはこちらよりご覧いただけます。


各発表の視聴には「ZOOM」を使用します。申込された方に入室に必要なパスワードをお知らせします(11月19日以降)。接続方法がわからないなど、お困りごとがありましたら気軽に事務局までお問合せください。

[当⽇の緊急連絡先]アートミーツケア学会事務局(一般財団法人たんぽぽの家 内)
Tel:080-7304-2993

●情報保障(IPトークのご案内)
要約筆記による情報保障を行っています。下記のURLからアクセスしていただき、パスコードを入力してください。
https://soranoao.com:8008/

パスコード:amc2021

プログラム一覧

11月5日(金)-12月2日(木)

フリンジ企画

12月3日(金)

14:00-15:30上映会①

     16:00-17:30      考えるテーブル:Distance   

     18:00-19:30上映会②

12月4日(土)

13:00-13:20オリエンテーション

13:20-14:30講演「共振する声」

14:40-16:10東北のこれからを考える

16:20-16:50アートミーツケア学会総会

12月5日(日)

10:00-12:00口頭発表

13:30-14:30ポスター発表

14:40-16:30大会全体の振り返り&トーク

お問合せ

申込期限、参加方法、情報保障について

事務局の連絡先


 フリンジ企画 11/5-12/2

会員が企画するトークセッションやワークショップなどを実施します。プログラムによって事前申込の要・不要、参加費の有無など詳細が異なります。配信方法などの詳細は随時このウェブページで最新の情報をお知らせいたします。

フリンジ企画一覧(2021年11月5日時点)

11月21日(日)
12:10-13:10(予定)

[zoomでの配信・要事前申込

 

山のにんじんカレー試食会&トーク

企画者:NPO法人しんせい(福島県郡山市 https://shinsei28.org/

参加費無料・要事前申込(定員20名、先着順)

NPO法人しんせいは、東日本大震災・原発事故の影響を受ける障害のある人を支援するため、2011年3月から活動をしています。もう一度、農業の仕事に就きたいという障害のある人たちの夢をかなえるべく、2019年にひらいたのが「山の農園」。そしてこのたび、丹精こめた野菜に、国産大豆ミートと和牛・豚肉(国産)を加え、油分も控えた身体にやさしい「山のにんじんカレー」を開発しました。この企画では、お申込いただいた方に事前に「山のにんじんカレー」(レトルト)とお米2合をお届け。当日は、ご飯をたいてカレーをかけて、それぞれの場所で一緒にいただきながら、NPO法人しんせい理事長の富永美保さんによるトークをお聞きします。オンラインでの配信ですが、お届けの都合上、日本国内からのみご参加いただけます。ご了承ください。1時間たっぷり楽しみましょう!

▼申し込みフォーム *11/8(月)締切
11月23日(火・祝)
10:15-16:30
[現地開催・要事前申込
ポラリスさんと巡る震災の記憶(山元町ツアー)

企画者:特定非営利活動法人ポラリス(宮城県亘理郡山元町 http://polaris-yamamoto.com/

集合場所と時間:JR常磐線  山下駅ホーム、10時15分集合

参加対象者:被災地でのアート&ケアの取組、障害のある人の働き方、震災からの復興等々、被災地の今に関心のある方なら学会員、非学会員問わずどなたでも

参加費5,000円*・要事前申込(定員7名、先着順)*参加費は当日徴収いたします。昼食代とお土産代は各自で別途ご負担いただきます。

福島県との県境にある宮城県山元町は東日本大震災による大津波によって甚大な被害を受けました。その被害の爪痕を忘れることなく後世に伝える努力をしつつも、新しい町として復興していく様子は、全国的にも注目されています。今回の山元町ツアーは、当地で、地域での就農(地元のいちご農園での就農)、こう・ふくアトリエ(障害のある人の芸術文化を通じた社会参加)、こぐまサロン(生涯学習@防災センター)などに取り組む、ポラリスの田口ひろみさん、引地奈美さん、佐藤路代さんに全面的にご協力いただき、震災の記憶を巡る旅に出かけたいと思います。訪れる先々で、地元の方々から直に聞く震災の話、おいしいものや復興アートも堪能しながら、心の深いところが揺さぶられる旅になることでしょう。

▼申し込みフォーム *11/16(火)締切 11/20(土)まで締切延長しました!
▼詳細な旅程
11月29日(月)
18時より[映像配信・申込不要]
 

お看取り楽

企画者:azumi piano(あづみぴあの)

2018年頃から、関西を訪れる際に【はっぴーの家】で弾いています。【はっぴーの家】とは多世代多文化共生を実践している介護付きシェアハウス。今年10月にはっぴー式のお看取りに遭遇し、私自身、生きて幸福に死ぬということについて深く考えました。お経なしの音楽葬や【記憶を巡るコンサート】の際にお看取りで弾いた経験等、私の活動も含め、今回、全国で広げて欲しいと願う【はっぴー葬】について、代表の首藤さんと共に【はっぴーの家】からお届けしたいと思います!

▼配信

https://twitcasting.tv/c:azumipiano にて配信予定。参加費無料。

▼参照

・はっぴーの家 https://www.facebook.com/rokken.happy.home/

・【azumipiano@はっぴーの家ろっけん】2021年2月NPO法人DANCE BOX企画こんにちは共生MMFより  https://m.youtube.com/watch?v=TttgBgx-ocM&feature

11月30日(火)
12:00-13:15[zoomでの配信/アーカイブ配信も実施・要事前申込]
大学×アーティスト×企業CSRで創るホスピタルアート

企画:田中佳(徳島大学 Tokudai Hospital Art Labo代表)

登壇者:

入澤日彩子(アプリュスセー合同会社)
今村祐介(BNPパリバ)
西村公一(アーティスト)
田中佳(THAL)

本企画では9月に徳島赤十字病院に制作したマスキングテープによるホスピタルアート「ひびきあうハート」について報告を行います。これはもともとマスキングテープを用いて徳島県内の医療機関にホスピタルアートを制作してきた徳島大学THAL(田中)がレベルアップを求めていたところ、美術企画会社アプリュスセーの入澤がマスキングテープアーティストの西村を紹介し、両者のコラボレーションを企画したことに始まります。入澤はこれを実現するために企業CSRとの連携を試み、BNPパリバグループによる支援を取り付けました。これにより大学×アーティスト×企業CSRでホスピタルアートを制作するという新しい枠組みが構築されました。緊急事態宣言が長引いたため、現場への作品設置に至るまで互いにリアルに接することなく、オンラインをフル活用したプロジェクトとなりましたが、本企画ではそれぞれの立場で得た手応えと課題を総括するとともに、今後のホスピタルアートにこの新たな枠組みを活用していく可能性を探りたいと考えております。

▼参加申込

アートミーツケア学会の会員以外の方もご参加いただけます。参加費無料。
11/23(火・祝)までに以下のリンク先よりお申し込みください。
※アーカイブ視聴ご希望の場合も申込が必要です。
https://forms.gle/5Nx1cUUhTjPtrSki7

▼お問合せ先

田中 佳
kei.tanaka@tokushima-u.ac.jp
https://www.facebook.com/tokudaithal/

12月1日(水)

公開

「かべをトビコエル!」

奥村奈央子(TOKYO SOCIAL DESIGN / NAOKO)
加藤未礼(TOKYO SOCIAL DESIGN / おおきな木)
山本宏一(法務省矯正局少年矯正課)

神奈川医療少年院跡地でのアートの報告から、心理的な壁と、物質的な壁、少年院の未来像などについて話します。大会期間中、せんだいメディアテーク 1F オープンスクエアにて展示される<少年たちの版画展>(盛岡少年院で取り組んでいる多色刷版画のカレンダー展示)もあわせてぜひご覧ください。

▼トークを収録した動画をこちらからご覧いただけます!

https://youtu.be/T0dTS-ik72c

↑ プログラム一覧へ戻る

12月3日(金)前夜祭

14:00-15:30 上映会1
えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋 (会場:7Fスタジオシアター)

寝たきり歌人、遠藤滋を友人である伊勢真一監督が撮影したドキュメンタリー映画の上映会。音声解説と日本語字幕がつくバリアフリー上映の形で行います。

※オンライン配信はありません。上映会への参加申込はこちらをご覧ください。

16:00-17:30
考えるテーブル:Distance (会場:1Fオープンスクエア)

東日本大震災後、せんだいメディアテークには「3がつ11にちをわすれないためにセンター(わすれン!)」が開設されました。市民・専門家・アーティストらから寄せられた多くの記録はアーカイブされ、その一部はまた市民によって、さまざまな機会に活用されています。今回、その運営に当初から関わるアーティスティックディレクターの甲斐賢治さんを案内人にお迎えし、参加されたみなさんと共に資料を囲みながら、震災について、アートやケアについてなど、自由に対話をする時間をもちます。)


■進行:
中川真(大阪市立大学都市研究プラザ特任教授)

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

18:00-19:30 上映会2
えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋 (7Fスタジオシアター)

上映会1と同じ内容で実施します。どちらかご都合のよい時間帯をお選びください。

※オンライン配信はありません。上映会への参加申込はこちらをご覧ください。

 


12月4日(土) 総会・大会 1日目

13:00-13:20
オリエンテーション (会場:1Fオープンスクエア)

※Zoomには12時45分から入室いただけます

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

13:20-14:30
共振する声 (会場:1Fオープンスクエア)

東北学を提唱されてきた赤坂さんは、震災後にはひたすら東北の地を歩き、日本社会が抱える問題を福島から提起し続けています。何気ないものに宿る記憶や声を想像させるような展示企画「いいたてミュージアム」の取り組みについてもお聞きしながら、見えないもの、聞こえないものへ心を向けること、地域の風土や文化といった足元にあるものに目を向けることなどについて考えます。


■ゲスト:
赤坂憲雄(学習院大学文学部 教授)

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

14:40-16:10
東北のこれからを考える (会場:1Fオープンスクエア)

東日本大震災の後、東北に移り住んだり、交流をつづけている人たちがいます。地域の活動とアートの結びつきがさまざまな場所でうまれ、育まれています。この10年で変わったこと、変わらないこと、変えていきたいこと。東北をひとつの拠点として活動されてきたみなさんと、次の10年、20年を考えていきます。


■ゲスト:
瀬尾夏美(一般社団法人NOOK)
大政愛(はじまりの美術館)
大河原芙由子(PLAY ART! せんだい)
■進行:
森口ゆたか(近畿大学文芸学部 教授)

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

16:20-16:50
アートミーツケア学会総会 (会場:1Fオープンスクエア)

※会員のみ参加可能です

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

↑ プログラム一覧へ戻る


12月5日(日) 大会 2日目


プレゼンテーション 10:00-12:00

プレゼンテーションは、1件あたりの発表時間が25分間(うち質疑応答5分)で、3部屋に分かれて実施しております。

会場:

A:1Fオープンスクエア

B:7Fスタジオシアター

C:7F会議室

 

10:00-10:25

(A-1)研究発表 10:00-10:25
病院との連携によるコミュニケーション型アートの展開 ─ゴブリン制作活動の病院における継続的な実践から─

発表者:小中 大地(アーティスト、筑波大学博士特別研究員、横浜美術大学非常勤講師、共立女子大学非常勤講師)

本発表では“コミュニケーション型アート”の基本定義を“人と人とのコミュニケーションを重視するアート”として着目しつつ、発表者がアーティストとして実施してきたゴブリンと呼ぶ作品を制作する活動のうち“病院”での継続的な取組みについて報告・省察する。[続きを読む⇒

なお、コミュニケーション型アートはアートプロジェクトに含まれる一つの表現形態であると考えられるが、実社会と変革を見据えるソーシャリー・エンゲイジド・アートなど、視点によって他のジャンルにも通ずると見ることも可能であろう。ゴブリン制作活動では、事物に宿る妖精を形作ることを目的に、対象物をテーマとして顔のある生き物の形へと変身させた造形を制作する(“ゴブリン”という呼び名は、言葉に含まれる“妖精”という意味による)。始まりは2005年、小学校での展示のために作った指先大の擬人化フィギュアのような作品であったが、2009年の初めての病院における制作では場に滞在して制作するアーティストも、また生じるコミュニケーションも作品の一部であることに自覚的となった。その後も協働によって山自体に顔がつくような大規模な作品「山ゴブリン」や、入院中の子ども達による制作を想定したワークショップを作るなど幅が増していった。このように、基本的には発表者が現地に出向き、人と人とのコミュニケーションを伴い制作が進む。また、その際は“ゴブリン博士”と称し、よくペイント白衣を着て振る舞ってきた。  本研究の目的は、病院との連携によるコミュニケーション型アートを、関わる多様な立場の人々にとってより豊かな活動として実施するための在り方を示し、共有することである。そのために、アートベース・リサーチの研究姿勢で、ゴブリン制作活動の展開プロセスで生じたエピソードを省察する。対象とする主な制作活動は、病院との連携による活動のうち複数回実施した茨城県内の3軒の病院、〈1〉筑波大学附属病院(2009年-)、〈2〉筑波メディカルセンター病院(2014年-)、〈3〉茨城県立医療大学付属病院(2019年-) での実践とする。エピソードの一例として、筑波メディカルセンター病院における出来事を記す。“静まった夕暮れどきに、展示スペース前で成人の男性患者と、付き添う医療スタッフに偶然出会った。その後、手持ちの材料による小さなワークショップが生まれ、完成作品はその場で壁面の作品群に加えられた。終了後に嬉しさやお礼を伝えてくださった男性患者の目の輝きは印象深く、今も制作への支えとなっている。”こういったエピソードの省察から、豊かな活動として実施するための在り方として、焦らずに並走するアーティストの姿勢、小規模が生み出す豊かさへの意識 などが考えられ、これらに通じる要件として、“人々に寄り添えるアーティストの存在”の重要性が考えられた。発表者がこれら要件をバランスも含め達成しきれているわけではないのだが、今後も実践と研究を循環させ、過程や知見を発信していきたい。


キーワード:コミュニケーション、協働、アートプロジェクト、アーティスト、顔

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

(B-1)実践報告 10:00-10:25
アートと言葉のワークショップ実践 −オンライン・ワークショップを通した可能性の探求−

発表者:笠原 広一(東京学芸大学)

1.本研究の目的 本実践報告は大学院で実践した、アートと言葉が相互に表現や探求の可能性を深めていくあり方をオンライン・ワークショップを通して考察したものである。2.本研究のねらい 2020年度には大学院博士課程の大学院生と研究の社会化と社会実装をテーマに、各自の研究テーマに基づいたオンライン・ワークショップを実施した[笠原・細野・古徳, 2021]。[続きを読む⇒

本年度2021年度は大学院修士課程(教職大学院)で実施した。5人のメンバーは共通してアートと言葉の関係性に関する研究に取り組んでいる。近年の学校教育ではプログラミング教育などの論理的思考力の育成が求められているが、論理の外側にある言葉にならないものを表現し語る感性的な領域での取り組みは重要であり、アートと言葉が往還的に統合するワークショップを通してアートと言葉の可能性を探求するために、各自の視点を盛り込んだ以下の5つのオンライン・ワークショップを企画実施した。 3.ワークショップの内容 (1)抜け道のある迷路 「作り出した物語の中に潜むその人自身」とはどのように表れてくるのかという問いに基づき、『ファンタジーの文法』[Gロダーリ,1978]を参照し、一枚の写真を凝視し、写っているものを言葉にして物語を作るワークショップを実施した。 (2)宇宙的超越日記 F・ガタリの『リトルネロ』[2014]およびドゥルーズ=ガタリ『千のプラトー』[1994]のカオスから生まれる<環境>と<リズム>の考え方に基づき、3分間で行動を起こし、それについて視たもの、聞いたこと、感じたこと、考えたことなど、自分の意識を全て言葉で書き、他者に題名をつけてもらうことで脱・再領土化を試みるワークショップを実施した。 (3)イメージをこねる 谷川俊太郎[1988]の詩を音読し、詩の言葉をもとに粘土で彫刻を作ることを通して、言葉を介することで生まれる想像や思考について考察するワークショップを実施した。 (4)あたらしいことばの辞書 慣用句に含まれる単語を差し替え、これまで存在していない新しい言葉を生み出し、意味を立ち上げていくことで、言葉の意味の捉え直しを行い、自身が紡ぐ言葉と身体的な感覚とを結び付けていくことを体感するワークショップを実施した。 (5)KIRAIを構成するもの 異なる出来事を結びつけて筋立てる行為としてのナラティヴの考え方を踏まえ、参加者の嫌いなものについて語り合い、嫌いの文字を分解し再構成された新たな「KIRAI」からビジュアルに表現することで、嫌いがもっていた意味が変容し、新たな物語が紡ぎ出され、主観的な感情の変化について考えるワークショップを実施した。 4. まとめ これらのワークショップから、アートと言葉とが互いに補い合うことや、言葉自体もある種のソナーのような触覚的に探索を可能にすること、言葉によってあることが知覚できるようになったり、知覚しやすくなることがわかった。そして、言葉に加えてアートが入ることでものごとが立体的で予測不可能にもなった。こうした取り組みの過程で互いの語りを聞くことで、視点の違いや感覚を共有でき、言葉によるコミュニケーションにアートが入ることで他者との三項関係的なコミュニケーションが生まれ、オンラインで初めて会った人たちとも気持ちがつながる体験が生まれた。オンラインでのアートの活動の実施については、じっくりと語りを聞き合うことがワークショップ体験の可能性をひらく重要なポイントとなることが示唆された。


キーワード:アートと言葉、オンライン・ワークショップ、語り

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

(C-1)実践報告 10:00-10:25
子どもの想像世界を探究する道具としてのアート:療育施設における「おべんとう画用紙」実践

発表者:渡辺 涼子(浜松学院大学・浜松市根洗学園)

「おべんとう画用紙(https://obento-gayoshi.com/)」とは、2009年に美術家の深澤孝史氏が、療育・発達支援施設の根洗学園のワークショップを経て考案した、お弁当づくりを介したアートプロジェクトである。プロジェクトは、(1)子どもがおべんとう箱の枠線が印刷された画用紙におべんとうの絵を描く、(2)絵を鑑賞した親が描かれたおべんとうを食材を用いて再現する、(3)完成したおべんとうを子どもに食べてもらうプロセスからなり、「立派な料理をつくろうと意気込むのではなく、子どもの絵を読み解き、それを料理に再現すること自体を楽しむ」という、親子間のコミュニケーションを目的とする。[続きを読む⇒

学園では「おべんとう画用紙」発案以来、年少の子どもたちを対象に毎年プロジェクトを実施し、完成作品(子どもたちの絵とおべんとうの写真)は園や市役所内で定期的に展示され、大規模な展覧会(2014年、2017年)や他園でのプロジェクト遂行も企画されてきた。本プロジェクトをアート作品の協働的な制作活動として考えるとき、そこには子どもー作品(子どもの絵・おべんとう)―保育者(親・保育士)間の三項関係を通して、作品に新たな意味が探究・生成される過程が見えてくる。子どもと大人が共に創造的で探究的な活動に従事する重要性は、レッジョ・エミリア・アプローチ等でも指摘されているが、「おべんとう画用紙」では作品の制作を通して、保育者はどのような探究や意味生成を経験するのだろうか。上記の問いを明らかにすべく、2021年8月に行われた「おべんとう画用紙」プロジェクトの参加者である26人の通園児(2歳・年少児)の親と保育士に対し、自由記述による質問紙調査が行われた。質問紙の内容は、プロジェクトへの感想と参加による自身の変化についての自由記述を中心とし、得られたデータを質的に分析した。結果、プロジェクトでは親と保育士それぞれの立場から作品や活動への意味づけが行われていたが、ここでは字数の都合上、親の意味づけの特徴を紹介する。(1)子どもの想像世界の協働的な探究(回答例「うまく絵では表せなくても(著者注:子どもの)頭の中ではお弁当ができていて『これは何?』と聞くと、『おにぎりだよ』と教えてくれました」、(2)自身の「おべんとう」観の変化(例「子どもが喜んでくれるよう見た目なども意識するのは大事だなと思いました」)、(3)子どもの作品の変化と成長への言及(例「前回より絵もパワーアップして、色んな色のおべんとうの成長がわかる」)。これらの意味づけから親は、子どもの作品にある想像世界を、「おべんとう」という社会的文化的な枠組みの中で能動的に解釈しながら自身の作品づくりに取り組んでおり、日常的なお弁当作りという活動に、創造的で協働的かつ(子どもを喜ばせたいといった)感情的な価値が付与されたと考えられた。


キーワード:おべんとう画用紙,想像世界,アート,療育

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

10:30-10:55

(A-2)研究発表 10:30-10:55
演劇教育研究でArts-Based Researchを用いることの有効性 ―参加者の「体験」に寄り添った演劇教育研究を目指して―

発表者:郡司 厚太(東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科/高崎市立箕輪小学校教諭)

本研究の問いは、「演劇教育研究でArts-BasedResearchを用いることには、どのような有効性があるのか?」である。近年の演劇教育研究は、質的研究を方法論に用いて行われることが多い。しかし筆者は、演劇教育研究において質的研究を用いることには、次の三つの限界があると考えた。[続きを読む⇒

それは第一、に直接体験することでしか十分に感受できない情動的体験を、言語化して捉えてしまうこと、第二に、研究対象者の体験が研究者の解釈によって縮減されてしまうということ、第三に、研究成果が対象とするフィールドに十分に還元されていないということである。この限界を超えるために、筆者はArts-BasedResearch(ABR=芸術に基づく研究)が有効であると考えた。特に、ABRという研究方法における、「新しい洞察力と学習」「喚起的、挑発的」「参加型」「複数の意味」「公共の学問と有用性」という特性が、質的研究の限界を超えるうえで重要であると考えた。それらABRの5つの特性は、第一に、言語的な制約を超えた演劇教育の体験を感受するうえで有効である。なぜなら、芸術に基づいた研究によって、演劇教育の実践の中で生成される情動的体験や、多元的な意味の生成を射程に入れた研究が行えるようになると考える。第二に、研究協力者(参加者)たちが何を感じ、何を考え、何を体験したのかを共有するうえで有効である。なぜなら、ABRでは、研究対象者は直接的に意味生成のプロセスの主体として研究に関わることができるからである。第三に、研究成果をフィールドに還元するという点で有効である。なぜなら、ABRの成果は、パフォーマンス化されることで、研究者と参加者とオーディエンスに開かれたものとなるからである。以上の考察から、本研究では、ABRを用いた演劇教育研究は、質的研究の限界を超えることができることを、理論的に明らかにした。さらに本研究では、演劇教育の中で生成される情動的体験を、教育人間学の矢野智司の「生成としての教育」の理論に基づいて捉え返した。「生成としての教育」は、近年の教育現場で求められているケアの概念ともつながる重要な教育理論である。このことから、本研究では、ABRは「生成としての教育」(=情動的体験)を生成することが可能であることも理論的に明らかにした。本研究は、まだ十分に研究的な蓄積が進んでいないABRと演劇教育の接続を行い、かつ教育人間学をも射程に入れた研究である点で、演劇教育研究の理論と実践の新たな地平を切り開くものであると考える。


キーワード:演劇教育、質的研究、Arts-Based Research、発達としての教育、 生成としての教育

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

(B-2)実践報告 10:30-10:55
リンドグレーンお茶会―コロナ禍の中で生まれた多世代間・多文化間交流の実践―

発表者:青木 真理(福島大学教授)

2020年春、コロナ禍が広がる中、発表者と連名発表者の原真理子氏は、オンラインで自由に話し合う会を思いついた。二人ともスウェーデンの児童文学作家アストリッド・リンドグレーンが好きだったので、リンドグレーンのことなどを話し合えればいい、という発想だった。そこから、それぞれの家族や友人知人を招待して、月1回のオンライン交流会が始まった。[続きを読む⇒

交流会を重ねるごとにメンバーが互いに刺激を与えあって新しいアイデアが生まれていった。2020年6月に第1回のお茶会を行ってから毎月1回、2時間から2時間半程度の交流会を持っている。参加者は子ども(幼児、小学生、中学生)から70代まで年齢の幅が広く、成人メンバーの仕事と専門・興味関心も多岐にわたる(臨床心理士、音楽療法士、音楽社会学、絵本講師、文学研究など)。居住地は日本各地とノルウェーであり、このような形態はオンライン会議が可能にした。交流会の活動内容は、個人の発表(文学作品研究、これまでの研究と実践の紹介、創作物語の紹介など)、グループワーク(音楽をききながらの絵本づくり、哲学対話、共同短歌づくり、逆BGM、群読など)など多岐にわたる。本プレゼンテーションでは、その実践を報告し、結果的に生まれた多世代間交流、多文化間交流についてその意義を考察する。


キーワード:児童文学,音楽療法,絵本,オンライン会議

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

(C-2)研究発表 10:30-10:55
アートへのアクセシビリティ向上を目的とした美術鑑賞サイトが抱える課題と改善施策の提案

発表者:信藤 博之(株式会社オルトデザインオフィス 代表取締役)

近年、アートへのアクセシビリティ向上を目的とした美術鑑賞サイトが増加傾向にあり、現在のコロナ渦により社会的ニーズの高い試みとして認知が進んでいる。しかしながら、スクリーンリーダーや音声読み上げツールを必要とする、ウェブサイトの閲覧に困難を抱える障がい者や高齢者に焦点を当てた場合、これらの実践には多くの課題が散見される。[続きを読む⇒

本発表においては、いくつかの事例が抱える課題について言及するとともに、それらに対する改善施策を提示する。また障がい者差別解消法および同法改正法が掲げる合理的配慮の観点から、美術鑑賞サイトのあるべき姿を問う。


キーワード:ウェブアクセシビリティ 美術鑑賞サイト 障がい 社会的包摂 合理的配慮

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓


11:00-11:25

(A-3)研究発表 11:00-11:25
2.5次元写真の心理的効果に関する検討-予備的な結果の報告-

発表者:高岡 祥子(東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター 学術研究員、立正大学 特任講師)

本研究の目的は、2。5次元写真の心理的効果を調べ、この写真を応用に活かすための基礎的なデータを収集することである。2。5次元写真は、株式会社アド・シーズの高精彩特殊立体描画技術によって写真の表面に凹凸をつけ、被写体の質感をダイナミックに表現した写真である。[続きを読む⇒

2。5次元写真の特徴は、被写体の緻密な表現が可能である事と同時に、写真の表面に手で触れることで、実際にダイナミックな質感を感じることができる点である。写真や絵画は私たちの生活を豊かにしてくれるが、科学的な手法によってその効果が十分に検討されているとは言えない。私たちの最終的な目標は、2。5次元写真の心理的効果を認知症予防をはじめとした社会の様々な場面に活かす適切な方法を見つけることである。そのため、まず2。5次元写真の心理的効果に関する基礎的なデータを収集することを本研究の目的とした。3つの実験を行った。実験1は、2。5次元写真と通常の写真(以下、平面写真)から受ける印象の違いを比較検討した。実験参加者(以下、参加者)は写真を一枚ずつ手に取って観察し、「美しい」「驚きがある」「違和感がある」など複数の項目について、1:全くそう思わない〜6:非常にそう思う、までの6件法で回答した。写真の被写体は4カテゴリ(食べ物、動物、赤ちゃん、風景)を用意した。各カテゴリ6枚中、3枚が2。5次元写真、残り3枚が平面写真であった、呈示した写真は合計24枚であった。参加者は2。5次元写真と平面写真をランダムな提示順序で観察し、印象の評価を行った。実験2は、2。5次元写真が平面写真と比較して記憶に残りやすいかを検討した。実験2は実験1の1ヶ月後に行った。実験参加者は実験1で観察した写真と、それらと同数の新しい写真をランダムな順で提示され、前回の実験でその写真を見たかどうかを回答する再認課題と、その回答の自信の程度をついて答えた。実験1において、実験参加者は提示された写真を記憶するよう教示は受けていないため、実験2は参加者にとっては予期せぬ記憶の再認課題であった。実験3は、2。5次元写真を自宅に一定期間飾ることによる心理的な効果を調べた。参加者は自分の大切な家族またはペットの写真を1ヶ月間自宅に飾り、初めて写真を飾った日と1ヶ月後に、主観的幸福感と不安について質問紙で回答した。半数の参加者は2。5次元写真、残りの半数の参加者は平面写真を飾り、結果を比較した。参加者には、1日1回は写真を手に取って見るように教示した。本発表では3つの実験の予備的な結果について報告する。本研究は東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター(瀧靖之研究室)と株式会社アド・シーズの産学共同研究として実施した。


キーワード:2.5次元写真 主観的幸福感 認知症予防

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

(B-3)研究発表 11:00-11:25
就労継続支援B型事業所における創造的芸術活動ー前後比較試験を通じたWell-Being向上効果の検討ー

発表者:謝 雪こう(九州大学大学院 芸術工学府)

芸術活動ワークショップ(手芸、小物の製作、塗り絵、スクラッチの絵、小物デコレーションなど)はすでに就労継続支援B型利用者のWell-Beingを向上させ、利用者の自己表出、コミュニケーションスキルを引き出す効果があると報告されてきた(謝2020①〜③)。この研究は先行研究を踏まえ、芸術ワークショップが具体的に参加者のどのような能力を向上させたか、EAPO尺度で分析していき、次のステップの障害者就労継続支援事業所向けのワークショップデザインにつなげることを目的としている。[続きを読む⇒

方法被験者は、大阪府におけるX障害者就労継続支援B型事業所の利用者33人(男性30人、女性3人、年齢20代1人、30代4人、40代8人、50代11人、60代8人、80代1人。精神障害21人、精神障害且つ身体障害11人、知的障害1人)である。創造的芸術活動ワークショップの参加者は23人、不参加者は10人いた(不参加者は来所して休憩エリアで休憩するか、また来所しなかった人である。)。ワークショップ講師は筆者で、作業の補佐を担当する職員が1人いた。参加者は2週ごとに1回、計24回、12ヶ月間就労支援の事業所のカフェエリアで創造的芸術活動のワークショップに参加した。Well-Beingの評価方法はポジティブ作業等価評価(EquatingAssessmentofPositiveOccupation:以下EAPO)を用いて測定した。EAPOをワークショップの実施中で計4回行った(不参加者も同じ時点で得点を記録した)。統計分析は、①Exametrika5。5を用いた項目反応理論(ITR)および②SPSS。V26を用いた(1)参加群で時系列データを比較(反復測定による一元配置分散分析)、(2)不参加群で時系列データを比較(反復測定による一元配置分散分析)、(3)初回・二回目・コロナ・最終の満足度を参加群・不参加群を比較(対応のないt検定)であった。結果と考察本研究はワークショップの実施によって、数値上、実施前後にはWell-Beingする作業に参加できている人数の変わりは大きくなかったが、参加者のWell-Being平均得点が39。95から41。52まで有意t(31)=2。09、p=。045)に上昇し、参加者33人の中、27人の能力値には著しく上昇が見られ、ワークショップの効果がさらに証明できた。また、ワークショップ実施6回目から自粛期間が入り、事業所ではワークショップ以外の来所はなかったため、利用者のWell-Beingは下がったとみられたが、顕著な減少ではなかった。また本研究の介入期間は一年間だったが、実際3ヶ月からすでに介入効果が生じ、参加者のWell-Beingは上昇したと見られた。また、自粛期間中にWell-Being点数が下がったが、大幅な減少は見られず、芸術ワークショップを通して利用者が積極的に参加することで満足に図れ、自粛疲れの解消につながったと思われる。能力値とWell-Being得点から、今までもワークショップデザインは参加者に基本的に適していることが分かった。これからは、参加者個々の意見を聞き、質的研究でワークショップの構造を明らかにすることが必要である。最後、本研究は参加者の人数が少なく、性別の偏りがあったため、結果にバイアスが出る可能性がある。そのため、次のステップでは質的研究も実施することで、参加者は満足を得て、ワークショップのデザインの合理性を証明していく必要がある。参考文献①謝雪こう、長津結一郎「障害者のWell-Being向上につながる創造的芸術活動ワークショップ―就労継続支援B型事業所の利用者を対象として―」2020年アートミーツケア学会②謝雪こう、長津結一郎「満足につながる創造的芸術活動ワークショップ―障害者就労継続支援B型利用者のインタビューを通して―」共創学会、2020年③SetsukoSha、YuichiroNagatsu「CreativeArtWorkshopsandWell-beingofDisabledPeopleinOsaka、Japan」InternationalInstituteforAsianStudies2021④野口卓也、京極真(2018)精神科デイケアにおける幸福を促進する作業への関わりの状態を測定できる等化評価の臨床有用性作業療法37(2)230-238⑤野口卓也、京極真(2019)精神障害者におけるポジティブ作業に根ざした実践のプログラム開発とその適用方法の予備的検討作業療法38(1)54–63⑥野口卓也、京極真、他(2019)精神障害を有する人における幸福を促進する作業療法プログラムの効果検証:非ランダム化比較試験精神医学62(6)911-92。


キーワード:Well-being、就労継続支援事業所、芸術ワークショップ、創造的芸術活動

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

(C-3)研究発表 11:00-11:25
良い面も悪い面もある自助具 − 衰えたときのために今のうちから…

発表者:水田 篤紀(社会福祉法人わたぼうしの会)

本研究は、2020年に1年間にわたり、たんぽぽの家(障害者施設・奈良県奈良市)で行った自助具(Self-HelpDevice)に関する調査です。普段から定期的に体の状態をみてもらっている理学療法士の先生から「施設を利用する20代から60代の障害をもつ方の様子を見ていると、26歳以降から急激に体力が落ちるので、今のうちから色んな筋肉を使う練習をした方がいいですよ」と言われました。[続きを読む⇒

そのため、身体を動かす以外でも衰える前に何かを調べたいと思って自助具を調べました。普通の方より私が1。5倍早く衰えると理学療法士の先生から聞きました。人の身体は衰えますが、衰えてからでも、自助具を使って日常生活をおくれば良いと思いました。身体の状態を一番良い状態で保つ事は難しいですが、衰えてからでも、身体が動かしにくくなったとしても、自助具を使えば出来る事も増えていくように感じたからです。私は障害がありますが、今の段階で困っていることは多くもなく、少なくもない状態です。現在は車椅子を使っていませんが、いずれは車椅子生活になる可能性があります。そのため今のうちにできることとできないことを把握し、自助具について調べておきたいと思いました。調査では、日ごろ自助具を使っている障害をもつ三人の方と、たんぽぽの家のスタッフ一人にインタビューをおこないました。障害をもつ三人の方は、私と同じくたんぽぽの家に通っています。そのうちの二人は施設の仕事で一緒になるので、彼らが自助具を使うところを私はよく目にしていました。もう一人は、私がショートステイで利用する福祉ホームに暮らす方で、泊まりにいくとよく話をする方です。仕事で一緒になる二人のうち一人(60代男性)には「自助具とは」と、過去に使われていた自助具について話を聞き、もう一人(60代女性)には、仕事で使用している自助具について話をききました。福祉ホームに暮らす方には日常生活で使う自助具について話を聞きました。また、インタビューに答えて頂いたスタッフは施設の利用者に合ったオリジナルの自助具を作っていると聞いたのでインタビューをしたいと思いました。障害をもつ方が使っている自助具はそれぞれみんな違いますが、良い面もあれば悪い面もあることがわかり問題点もみえてきました。


キーワード:自助具、障害者福祉、介護用品、インクルーシブリサーチ

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

11:30-11:55

(C-4)実践報告 11:30-11:55
音楽と認知症ケア:ノルウェーにおける取り組み

発表者:原 真理子(インランドノルウェー応用科学大学)

認知症の症状は、数年から10年の時間をかけてゆっくり進行し、当然のことながら本人のみならず介護する家族の生活にも大きな影響を及ぼす。昨今の認知症ケアの実践や研究では、より人間らしいケアの在り方を追求する動きがあり、生活の質を改善する非薬物療法、中でも音楽による認知症ケアに関心が寄せられている。[続きを読む⇒

音楽の力と認知症に関する議論は、主に神経科学、介護、音楽療法の分野で進んでおり、コミュニケーション促進、過去の記憶想起、精神状態の安定化、関係性への働きかけといった音楽の効果があるといわれている。「歌う」、「口ずさむ」、「音楽を聴く」というシンプルな音楽行為は日常生活にも浸透しやすく、認知症と生きる人たちの日常を長期的に支える可能性を持つ。こういったケア資源としての音楽の活用は、専門的な音楽(療法)教育を受けていない家族、介護者、医療従事者、またミュージシャンやボランティアにも注目され、国内外で様々な取り組みが進められている。ノルウェーにおける認知症ケアは、パーソンセンタードケアを柱にしている。そして、認知症の人が今何を感じて、何を求めているのかを理解し、認知症本人が自分らしく生きる手助けをする、すなわちパーソンセンタードケアを実現するため、認知症本人を取り巻く身体的・物理的・心理的・社会的なトータルな環境(ミリューMiljø)を整えるミリュートリートメント(Miljøbehandling)が実践されている。昨今では、2017年にはじまった「Levehelelivet(人生をまっとうしよう)」というケア改革に応えて、音楽やアート活動を日常から引き離して捉えるのではなく、個々の認知症者に寄り添うミリュートリートメントの一貫として捉えようという動きがある。現在、ノルウェーでは、認知症ケア施設、地域のアクティビティセンターや家庭といった様々な認知症ケアの現場で、音楽療法士、研究者、家族、介護者、医療従事者、ミュージシャン、アーティスト、そして文化事業企画者が、立場や専門間の垣根を超えて、経験、知、そして技術を共有しながら、音楽による認知症者のミリュートリートメントを促進している。その例の一つとして、音楽療法士は、直接認知症本人と音楽的に関わるDirectな音楽療法以外に、家族や医療従事者に日々の介護における音楽の活用を指導したり、クライアントの音楽の好みを共有するといった、認知症本人を取り囲むミリューに働きかけるIndirectな音楽療法にも力を入れている。本発表では、ノルウェーにおける音楽を活用した認知症ケア実践を紹介すると共に、2020年にオスロ郊外のアスケルという自治体で発足された「アクティブケアモデル」を例に、専門や部門間の垣根を横断して実現される個に寄り添ったエコロジカルな実践と、それを支える多職種他分野協働の必要性について考えたい。


キーワード:音楽、認知症ケア、ミリュー

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

↑ プログラム一覧へ戻る


ポスター発表 13:30-14:30

発表者の在席時間は1件あたり30分間で、3部屋に分かれて実施しております。

会場:

A:1Fオープンスクエア

B:7Fスタジオシアター

C:7F会議室

 

13:30-14:00

(A-1)実践報告 13:30-14:00
ソーシャリー・エンゲージド・アートにおける社会的相互行為の一考察― 地域高齢者を対象とした「からだで気づく!ワークショップ」の実践から―

発表者:山田 香(山形県立保健医療大学)

1。はじめに1990年代以降、地域や社会と積極的に関わろうとする芸術活動(ソーシャリー・エンゲージド・アート:以下SEA)が世界的に盛んになってきている。研究者らは、2021年3月に山形県天童市内の地域包括支援センター(以下センター)の高齢者カフェ利用者を対象にダンスアーティスト2名による身体系ワークショップを実践した。本報告では、このワークショップの実践をもとにSEAにおける社会的相互行為を考察する。[続きを読む⇒

2。ワークショップの概要このワークショップでは、ダンスアーティストをファシリテーターとして、お祭りを連想させる音や道具を使用し、参加者の自由な表現や動きを引き出すプログラムを実施した。身体感覚を通して参加者自身の身体の可能性や他者との関係について関心を高め、参加者が主観的健康を実感できることをねらいとしている。会場は参加者の生活圏内にある地区公民館とし、時間は2時間弱とした。プログラムは、実施にあたっては、感染症対策を十分に行った。また、ワークショップの記録として、写真・ビデオ動画の撮影を行った。3。方法ワークショップ終了後、参加者に主観的健康に関する選択式無記名アンケートを実施、センター職員4名、講師2名・フォトグラファー1名に非構造化グループインタビューを行った。4。結果 参加者は33名(2会場合計)、年齢は60-90代、9割が女性であった。アンケートの結果、参加者のほとんどが「思ったより動けた」「まだまだ元気だ」等の主観的健康を感じていた。センター職員へのインタビューでは、参加者の新たな一面を発見した驚きや参加者の「いつもの関係性」が垣間見えたり逆に意外な関係性が発展していた様子についても語られた。アーティストらは、参加者らの山形の自然に親しむ生活様式から生まれる独特な表現が印象的であったとし、参加者の反応から自身のワークショップを省察し、活動や表現の方向性を再確認していた。5。考察本ワークショップは、「楽しく」動く自由な活動を通して、参加者が自分や身近な他者の新たな側面を発見する機会となっていた。一方、アーティストは、コミュニティがもつ豊かな芸術性や文化に触れ、自身の活動の方向性やコミュニティへの理解に深まりがみられていた。これらから、本ワークショップが参加者の主観的健康の実感だけでなく、参加者、アーティスト双方がそれぞれの特性を持ち寄り、ともに何かをつくりあげていく場となっていたことがうかがえる。また、今回のワークショップでは、目的と方法の妥当性―何のための(誰のための)実践なのか、アートの目的化(手段の目的化)に陥っていないかなど―を、アーティスト、センター職員、研究者らで、事前に十分に吟味した。そのため、今回の実践が、参加者を主役とした、一体感のある場を産むことにつながり、社会的文脈を踏まえた社会的相互行為としてのSEAが成立していたと考えられる。


キーワード:ソーシャリー・エンゲージド・アート、高齢者、ワークショップ

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

(B-1)実践報告 13:30-14:00
トーシツ100%展の取り組み;アンチスティグマプロリカバリーを目指して

発表者:宮西 勝子

この発表は、当方が主催し、2020年1月11日から13日まで「トーシツ100%展」というタイトルで美術展を行った実践について、報告するものである。この取り組みは、統合失調症を持つ上に自らの意向によりアーティスト活動をしている総勢13名に交渉し、アート作品と共に作家自らの疾病やパーソナルリカバリーについて書いていただいた文章を並列し展示した美術展である。[続きを読む⇒

精神保健的なシンポジウム等と共に「きらりの集い2020東京」において特別プログラムとして、新宿文化センターにおいて三日間開催したものである。この取り組みの目的は、アーティスト自身や同様な疾病を持つ当事者のパーソナルリカバリーの促進と、多様な当事者の生き方を示すアート作品の鑑賞によって情動に訴えかけ一般来場者の疾病への先入観を是正しスティグマの改善を図るものである。閉会後もこの取り組みを一過性にしない為に、文化庁の補助金を受け図録を100部作成し、多様な関係機関へ配布し、活動内容を広報した。継続して開催することにより目的とした効果の発展を目指して行く考えである。ここでは、今回の取り組みで検証として実施したアンケート調査のデータ分析を提示するものである。Linkスティグマ尺度を用い、入場時と退場時に来場者にアンケートを取ったものを、量的に分析した。有意に非当事者のスティグマが改善し、また、サンプル数は少ないが疾病当事者のスティグマも改善が見られた。この結果により、目的としたアンチスティグマプロリカバリーへの有効なアプローチとしての可能性が考えられるものである。今後も、より有効なプログラムとして発展させていく為に来場者アンケートの自由記入欄の質的研究も行い考証を加えていく考えである。


キーワード:統合失調症、スティグマ、パーソナルリカバリー、美術展

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

(C-1)実践報告 13:30-14:00
「ひびきあうハート」プロジェクトの可能性と課題

発表者:田中 佳(徳島大学)

本発表は2021年7月から9月にかけて実施した「ひびきあうハート」プロジェクトの企画の経緯と実施過程を示し、ここから得られた新たなホスピタルアート制作の可能性と課題について考察するものである。「ひびきあうハート」プロジェクトは、かねてよりホスピタルアートに関心を持っていた入澤が、マスキングテープで制作活動を行っていたアーティストの西村公一氏と、徳島県内の医療機関にマスキングテープを使ったホスピタルアートを展開していた田中とをつなげ、両者のコラボレーションを企画したことに端を発する。[続きを読む⇒

これをBNPパリバグループ(日本)と結びつけ、単なる金銭的な支援だけではなく、CSR活動の一環として社員もボランティアでホスピタルアート制作に参加するという全く新しい枠組みを実現した。東京の企業の社員が制作したものと徳島大学の学生らが制作したものを合わせて、アーティストと学生が一緒になって徳島県内の病院で作品制作を行うという計画であった。遠隔からの作品制作はマスキングテープという材料を用いたからこそ可能となった。オンラインワークショップでアーティストの指導の下、各人がフィルムシートの上に20cm大のハートを制作し、それを徳島で組み合わせて大作に仕立てるという段取りであった。しかし緊急事態宣言の解除が遅れ、東京在住のアーティストや関係者を徳島に招聘することができなくなった。加えて徳島県内の感染状況も悪化し、学生の課外活動の禁止期間が延長された。一方、制作現場となった徳島赤十字病院側は制作を受け入れる方針であり、先の見通しが立たなかったことと、すでに社員らによる制作物が仕上がっていたことから、限定メンバーでできる限りの制作を行うことになった。ただし図案や手順は実現可能性を考えて再検討と変更を余儀なくされた。アーティストには前日の準備と2日間にわたる制作のすべてをオンラインで監修してもらいながら、なんとか現場に作品を完成させることができた。現場での作業を極力減らすべく、事前に入念な準備を行い、手順を簡略化し、制作練習をしていたことが功を奏した。小さなハートを作った多くの人の想いを何としても病院に届け、かたちにして見てもらいたいという確固とした意志に裏打ちされた西村氏の集中力と指導の的確さには特筆すべきものがあり、徳島側の制作者たちも大いに励まされた。逆境の中でこれほどの大作が完成させられたことには大きな意味がある。とはいえ課題もあった。オンラインでの指導はきわめて綿密で丁寧なものだったが、受け取り手に経験がない場合には、十分な理解を期待することは難しいようであった。また時間や諸条件を鑑みて、制作者たちが自分自身で考えて動くというプロセスも断念せざるを得なかった。今回はプロジェクトの進行途中での方針転換となったためやむを得ない面もあったが、今後、オンラインで多くの人との制作を試みる際には考慮すべき点であろう。


キーワード:ホスピタルアート マスキングテープ コロナ禍 オンライン 社会連携

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

14:00-14:30

(A-2)実践報告 14:00-14:30
ひとり親家庭の子や親を対象としたアートワークショップ ーこども食堂と連携してー

発表者:広根 礼子(金沢学院大学)

本発表では今年度から取り組みを始めた、こども食堂を利用するひとり親家庭の親子を対象とした、アートワークショップについて実践報告を行う。アートワークショップの場でうまれる、参加者と運営する学生間のコミュニケーションがもたらす意識の変化について考察し、今後の活動へと繫げていきたい。[続きを読む⇒

1.はじめに

金沢市の「おおくわこども食堂」を利用する母子家庭の保護者から、「子どもが休日に自然体験や文化的体験をすることができない」「母子だけではやってみようと思えない」「すでにある体験教室は料金が高くて参加できない」という声が上がっている。また、子どもだけではなく、母子家庭・父子家庭の親自身にも、子育てや仕事に追われる日々の中で、自分を見つめなおすことができるような時間、自分らしく生きることや自分の人生を楽しむことが実感できる機会が必要である。

「おおくわこども食堂」代表、土井氏を通じて、ひとり親家庭がかかえるこのようなニーズを知り、金沢学院大学芸術学部でデザインや映像を学ぶ学生のアイデアを活かし、自然体験や文化的体験を包括した「アートワークショップ」を開催することになった。

2.活動の概要

学生が主体となり、「おおくわこども食堂」と連携しながら、金沢市在住のひとり親家庭の親子を対象に参加者を募り、「アートワークショップ」を開催する。学生は、ひとり親家庭の子どもたちが、普段の学校生活や家庭生活では体験したことのない、新しい発見が出来るような「アートワークショップ」を企画し運営する。募集に関する広報物等のデザイン制作を行う。開催当日は、ものづくりや自然体験を通じた学生とのコミュニケーションの機会を創出する。「おおくわこども食堂」は、ひとり親家族のネットワークに対して、SNSを通じて参加者を募集する。イベント時の昼食の提供やフードバンクから提供された食材配布を行う。

  • 「アートワークショップ」は、季節の行事と連動して年3回、夏・秋・冬に開催する。
  • 「アートワークショップ」は、こども対象、親子対象、親対象という風に、対象範囲を変えて実施し、それぞれの有効性を体験者の感想等から検証する。
  • 「アートワークショップ」は、様々な素材を使用するが、そのひとつとして、近年癒やしの素材として注目を集めている羊毛フェルトを導入する。

3.実践の概要

夏のアートワークショップについて

内容:様々なアート技法を体験! ペイントTシャツづくり

募集対象:小学3年生から6年生の子ども

8月、運営に関するシュミレーションを重ねていたが、石川県発令の新型コロナウイルス感染症蔓延防止等重点措置の適用をふまえて、已むなく開催中止とした。

秋のアートワークショップについて

募集対象:親子

内容:見て触れて食べて感じる 羊のまるごとアート体験

10月、羊のふれあい体験、お昼にラム肉のカレー、羊毛フェルトのワークショップを開催した。運営全体を学生主体で行い、参加親子から好評を得た。

冬のアートワークショップについて(予定)

募集対象:親(小学生以上の子どもの同伴可)

内容:親子でお家を飾り付け! 季節のオーナメント作り

12月、親の癒しの機会となるように、親は羊毛フェルトで鏡餅、子どもはペーパークラフトのクリスマスリースを別会場で制作する。

ポスター発表では、秋のワークショップの実践報告を紹介し、今後の可能性について対話を行いたい。


キーワード:ひとり親家庭 こども食堂 アート体験 自然体験

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

(B-2)実践報告 14:00-14:30
ワークショップデザインにおけるカメラの導入法:― 地域高齢者を対象とした「からだで気づく!ワークショップ」の実践から

発表者:佐々木 加奈子(東北大学大学院 情報科学研究科 社会構造変動論 特任助教)

ワークショップという手法が様々な現場に用いられるようになって久しい。ワークショップは多様な形式や目的を持つが、一般的には参加者自身の認識を生み出したり、普段では気づかなかった新たな自分やコンセプトを発見できる場として活用されてきた。本研究はその中でも、芸術活動を通したワークショップによる自己表現の可能性について、ワークショプデザインの観点から考察を試みた。[続きを読む⇒

本報告ではワークショップに用いたカメラの介入について考察した。2021年3月に山形県天童市内の地域包括支援センターの高齢者カフェ利用者を対象にダンスアーティスト2名による身体系ワークショップを実践した。このワークショップでは、ダンスアーティストをファシリテーターとして、お祭りを連想させる音や道具を使用し、参加者の自由な表現や動きを引き出すプログラムを実施した。身体感覚を通して参加者自身の身体の可能性や他者との関係について関心を高め、参加者が主観的健康を実感できることをねらいとしている。会場は参加者の生活圏内にある地区公民館とし、時間は2時間弱とした。プログラムは、実施にあたっては、感染症対策を十分に行った。また、ワークショップの記録として、写真(カメラマン)・ビデオ動画(定点)の撮影を行った(2021山田)。結果参加者は33名(2会場合計)、年齢は60-90代、9割が女性であった。ワークショップ中、「次はカメラに向かって、ハイポーズ」などとファシリテーターのダンスアーティストとカメラマンの掛け合いも見られ、終始参加者はカメラの存在を気にすることなく、ワークショップを楽しんでいた。考察本来カメラは安心感を与える道具としては用いない。多くのワークショップでは記録用として、固定したカメラが用いられ、その存在は最小限に抑えられている。しかし、本実践ではあえて、カメラマンを起用し、流動的にワークショップに介入しながら、参加者たちの様子を撮る仕掛けを作った。その結果、ファシリテーターはカメラマンとの相互行為を重ねることで、さらに個性豊かなポージングを披露するなど、カメラを意識しながら表現を試みることができた。この実戦から、カメラはパフォーマンスを行う起爆剤的な要素を確認することができた。今後のワークショップデザインにも応用が可能であると思われる。


キーワード:ワークショップ、カメラ、身体、自己表現

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

(C-2)実践報告 14:00-14:30
デリバリー型Art in Hospital Project “風の家:Breathing House” これまでとこれから

発表者:定廣 和香子(札幌市立大学看護学部)、山田良(札幌市立大学デザイン学部)

このプロジェクトの発端は、2013年札幌市立大学大学院博士後期課程授業「連携プロジェクト演習」である。多くのホスピタル・アートが特定の病院と連携し、その病院のニードに応じる方略をとっているようにこのプロジェクトも発足当初は、希望する病院との連携による作品展開を試みた。しかし、諸所の事情により中止となった。[続きを読む⇒

この経験を通して国内外で活動するアーティストによるホスピタル・アートを実現するためには、病院側に十分な理解と予算があり、アーティストの他の活動を侵食しない方略を講じる必要性があることがわかった。そこで、病院側の予算負担を減らし、アーティストの本来の作品性やアーティストが主軸とする環境芸術活動と両立可能な方略を模索することとなった。その結果、アーティストが病院との親和性の高いインスタレーション・アート作品を制作し、その作品を希望する病院に届けるという方略が生まれた。2016年に開始したこの方略は、札幌市から北海道へと活動の場を広げ、2019年末までの約3年間に8病院に展開できた。しかし、国際的なプロジェクへの展開の矢先にCOVID-19パンデミック(世界的大流行)により、新規設営及びデータ収集を断念せざるを得ない状況となった。今回は、8病院の実践報告を中心にこれまでの活動の総括を行うとともに派生した活動を紹介し、デリバリー型Art in Hospitalの未来を展望する機会としたい。
2014年04月旭川桂泉会病院に改修を伴うArt in Hospital Projectを計画(中止)
2015年12月風の家:Breathing House Core Model作成
2016年01月札幌市内207病院へのニード調査(1病院希望)
2016年03月五稜会病院(札幌市)に設営
2016年12月五稜会病院の患者・家族・職員を対象とした評価研究実施
2018年01月北海道内(札幌市を除く)359病院へのニード調査(9病院希望)
2018年03月野口病院(小樽市)に設営(軽量化等を実施したminorchange ver.)
2018年05月滝川中央病院(滝川市)に設営
2018年06月中江病院(札幌市)に設営(野口病院からの紹介依頼)
2018年11月牧病院(岩見沢市)に設営
2018年12月北星病院(千歳市)に設営
2019年07月とかち地域医療センター(池田町)に設営
2019年03月なごやヘルスケアアートプロジェクト(名古屋市立大学鈴木賢一教授代表)来札:名称変更
2019年12月製鉄記念室蘭病院(室蘭市)に設営(落下)
2020年04月製鉄記念室蘭病院(室蘭市)(自立型パース作成)設営活動休止
2020年06月野口病院、中江病院、牧病院の評価結果報告(SigmaThetaTau International European Conference)
2021年03月学生ホスピタルアートの会(徳島大学田中佳先生発案)発起人会参加(定廣)


キーワード:Art in Hospital,デリバリー,DXN(デザインアンドナーシング)

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓

↑ プログラム一覧へ戻る


大会全体の振り返り 閉会挨拶(会長:鷲田清一) 14:40-16:30


フリンジ企画や前夜祭、2日間の大会をまとめて振り返ります。

[進行]アートミーツケア学会事務局

※視聴するには事前申し込みが必要です。【お申込み方法↓


申込み方法

お申込みの方法は3つあります。いずれかの方法でお申込みください。

(1)チケット販売サイト Peatix から申込む
クレジットカードやコンビニ決済で参加費を支払うことができます。
https://artmeetscare2021.peatix.com/

(2)WEBフォームから申込む
下記URLから申込者情報をご入力ください。ただし、お支払いは郵便局の郵便振替のみですのでご了承ください。振込手数料はご負担願います。振込用紙の受領書をもって領収書にかえさせていただきます。通信欄に「振込内容(内訳)」をご記入ください。
※申し込み者様のお名前でお振込みください。法人名や他のお名前ですとお振込みが確認できない場合があります。
https://forms.gle/VW4syuQv3tgfETqo7

(3)メールまたはFAXから申込む
下記のチラシデータをダウンロードいただき、申込者情報をご記入のうえ、メールまたはFAXでお申込みください。その後、郵便局の郵便振替でお支払いください。

チラシは、こちら よりダウンロードしてください。

口座記号・番号 : 00920-4-252135
加入者名:アートミーツケア学会


参加費

■一般

会員 2,000円 (オンライン参加1,000円)
非会員  4,000円 (オンライン参加2,000円)

■学生

会員 1,000円  (オンライン参加500円)
非会員  1,000円 (オンライン参加1,000円)
*ご入金いただいた参加費は、原則としてご返金いたしかねますのであらかじめご了承ください。


申込期限
2021年
11月27日(土)

★申込期限を、12月1日(水)まで延長しました!!


参加方法
せんだいメディアテークでの現地参加とオンライン参加のふたつがあります。

■現地参加
要事前申込。当日の参加申込は、人数制限によりご入場いただけない可能性があります。

■オンラインン参加
事前申込必須・当日参加不可。参加者登録が必要です。当日参加は受付できませんので、ご注意ください。期間内に必ず手続きください。参加にあたっては、パソコンやタブレット/スマートフォン等の端末/個人のメールアドレス/安定したインターネット環境が必要になります。入金の確認ができた方に、視聴用URLをご案内いたします。

■上映会「えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋」の参加について

現地参加のみ。申し込み先や〆切が学会受付とは異なります。詳しくは、仙台メディアテークのウェブサイトをご確認ください。https://www.smt.jp/projects/bfdesign/2021/10/post-26.html


情報保障について

12月3日(金)~5日(日)の配信にあたっては、適宜文字による情報保障をする予定です。


お問い合わせ・お申し込み先

アートミーツケア学会
〒630-8044 奈良市六条西 3-25-4 一般財団法人たんぽぽの家内
Tel:0742-43-7055 Fax:0742-49-5501 E-mail:art-care@popo.or.jp
URL https://artmeetscare.org

主催:アートミーツケア学会
共催:せんだいメディアテーク

↑ プログラム一覧へ戻る