アートミーツケア学会2010年度総会・大会
「いのちの手ざわり からだ・殻だ・空だ・だから……」
■日程 2010年12月11日(土)12日(日)
*10日(金)スタディツアー
■会場 せんだいメディアテーク7階スタジオシアター、他
■主催:アートミーツケア学会
共催:せんだいメディアテーク、アートミーツケア学会仙台大会実行委員会
なぜ、現代は日常を突き抜けて、ナマの官能や肉体に直に働きかけるものを欲するのでしょう。
それは生命の危機がさけばれるなかで、私たちのいのちが希薄になっていることと無関係ではありません。電脳に囲い込まれて暮らし、貨幣というフィクションに支配されて生活する今、いのちはやせ細るばかりです。
「生きることのリアル」をねがう私たちは、五感を動員した総合的な触覚性のようなものを求めています。それは肉体による世界認識の方法ではないでしょうか。あるいは、世界のあり方を表現する方法ではないでしょうか。
「生きることのリアル」をのぞむ私たちは、個々の感覚がズレながら、別々に離れているようで、時にゆるやかに連鎖するさまに至福を感じます。それは意味で感じられない経験でもあります。
本大会では、意味の外にある「いのちの手ざわり」を足がかりに、今生きているという感覚で世界と向き合うこと。そこから生まれる「身体知」について考えたいと思います。
みなさまのご参加をお待ちしています。
■プログラム
12月10日(金)集合場所:せんだいメディアテーク入口、集合時間:14:20
|
宮城県立子ども病院スタディツアー(定員10人)
宮城県立子ども病院は、子どもが主役となる元気のでるファミリーホスピタルをめざし、アートやデザインを取り入れています。病室を「いえ」、病棟を「かいわい」、生育支援空間を「まち」にみたてた病院の外装や内装、家具、デザインを視察し、子どもにとって大切なケアの環境、ケアとアートの関係を考えます。
▼案内人:関口怜子(ハート&アート空間ビーアイ代表、アートミーツケア学会理事)
|
*「宮城県立子ども病院スタディツアー」は定員に達したため、受付を締め切らせていただきます。
12月11日(土)
11:00‐12:00
|
メディアテークツアー「メディアテークをスキップする」(定員10人)
「最先端のサービスを提供すること」「端末ではなく節点であること」、そして「あらゆる障壁(バリア)から自由であること」をめざしてきたせんだいメディアテーク。メディアテークにかくされた秘密や楽しみを副館長と一緒に探索します。
▼案内人:佐藤泰(せんだいメディアテーク副館長)
|
12:30‐13:30
|
受付
Orange<Boom<Boom 三原典子さんと音を楽しむ
*「Orange<Boom<Boom 三原典子さんと音を楽しむ」は都合により中止になりました。
|
13:30‐13:40
|
開会・あいさつ
▼佐藤泰(せんだいメディアテーク副館長)
|
13:40‐13:50
|
オリエンテーション
|
13:50‐14:40
|
講演「生きることを支えるアート」
ALS(筋委縮性側策硬化症)という神経難病をもつ人の在宅独居生活支援を行うALS-Dプロジェクト。病をもつ人とともに生きることでみえてきた、人が生きるうえで本当に必要なアートとはどのようなものでしょうか。アートとケアが出会うところから生まれる新しい関係、コミュニティ、そして生のあり方について考えます。
▼志賀玲子(舞台芸術プロデューサー、ALS-Dプロジェクト、アートミーツケア学会理事)
|
14:40‐15:00
|
休憩
|
15:00‐17:30
分科会
(選択制:A~Eのなかから選んでください)
|
A:「見る」ことを超えて
*鑑賞とは、作品との出会いが私たちの心身に深く残り、後の生活や人生で血肉となるような芸術体験です。視覚障害のある人とない人とで言葉による鑑賞を続けてきた10年を振り返り、目で見ることをこえてみてきたもの、そして生まれはじめた新しい美術の世界について考えます。
▼日野陽子(香川大学教育学部准教授、アートミーツケア学会理事)
▼光島貴之(美術家、鍼灸師)
▼阿部こずえ(ミュージアム・アクセス・ビュー代表)
B:いのちをささえるアートのかたち
*ケアの現場に美を持ち込むことによってみえてくるものとは。かかわりやケアへの視点をといなおすアートの役割、いのちを支える現場を祝祭のある場にするアートの可能性について考えます。
▼鹿野英生(医療法人社団初心会理事長 杜のホスピタルあおば院長)
▼武田こうじ(詩人)
▼三浦正悦(穂波の郷クリニック院長)
▼大石春美(穂波の郷クリニックゼネラルマネジャー・緩和ケアコーディネータ)
▼大城泰造(東北福祉大学准教授、感性福祉研究所)
▼進行:岩崎利次(いわさき生活福祉研究所代表)
C:21世紀社会デザイン研究学会ジョイントセッション
公共文化施設の公共性とは何か
*高齢者や障害のある人、外国人、女性、子どもなど、多様な人々の参加、表現を保障する公共文化施設のあり方、公共性とはどのようなものでしょうか。地域の文化を豊かにする公共文化施設のあり方について考えます。
▼水戸雅彦(えずこホール所長)
▼八巻寿文(せんだい演劇工房10-BOX二代目工房長)
▼甲斐賢治(せんだいメディアテーク企画・活動支援室室長)
▼コーディネータ:中村陽一(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授)
D:からだの感覚の世界を探る―ダンスワークショップ(定員20人)
*あわただしい日々の生活の中で埋もれてしまっているからだの感覚を呼び覚まし、感覚の世界の広がりを楽しんでみませんか?
さまざまなボディワークに取り組みながらアートやケアへとつながるからだを共に探求してみましょう!
軽い運動ができる服装でご参加ください。
里見まり子(宮城教育大学教授)
E:メディアテークでみみをすます‐サウンドスケープワークショップ(定員10人)
▼中川真(大阪市立大学教授、アートミーツケア学会理事)
耳人となってメディアテークおnなかを歩きます。さまざまな音の雲や音の盗掘に出会います。「場所」は私たちに何を語りかけてくるでしょうか。まずは耳から、そしてカラダ全体へと、センサーがひろがっていきます。
|
17:30‐18:00
|
休憩
|
18:00‐20:00
|
交流会
|
*「メディアテークツアー」は定員に達したため、受付を締め切らせていただきます。
12月12日(日)
9:00‐9:30
|
受付
|
9:30‐10:00
|
アートミーツケア学会2010年度総会
|
10:10‐12:00
|
A:プレゼンテーション
応募者による研究発表、実践報告、ワークショップ
発表者募集
○応募資格
会員、未会員にかかわらず、どなたでも応募できます。関心のある人は事務局までお問い合わせください。
○エントリー方法、期限
B:哲学カフェ~いのちをおくる~
▼進行:西村高宏(東北文化学園大学准教授)
わたしたちの身体は魂をはこぶカプセルか、それともいのちそのものか……。いのちをおくるときにみえてくる身体との関わり方について話し合います。
|
12:00‐13:00
|
休憩
|
13:00‐13:30
|
分科会レポート
*学生による前日の分科会レポート
|
13:30‐15:30
|
ディスカッション「いのちの手ざわり」
*私のいのちは私だけのものではなく、他者との関係性のなかにあります。にもかかわらず、現代に生きる私たちの多くはものの豊さ、便利さのなかで、一人で生きていくことができるという誤解をし、生きづらさを感じています。自他のいのちを実感できる場をどのようにつくっていくことができるかを考えます。
▼グロッセ世津子(有限会社みどりのゆび代表)
▼小岩孝子(NPO法人FOR YOU にこにこの家理事長)
▼松田尚嗣(社会福祉法人あおぞら精神障害者通所授産施設もぐもぐ施設長)
▼コーディネータ:播磨靖夫(財団法人たんぽぽの家理事長、アートミーツケア学会理事長)
|
*10日のスタディツアーと11日の分科会は、平成22年度文化庁芸術団体人材育成支援事業‘臨床するアートの普及と人材育成’の一環として実施いたします。(主催:財団法人たんぽぽの家)
■関連情報
学会といっしょにメディアテークと冬の仙台を楽しみましょう!
○メディアテーク開館10周年事業
「いま、バリアとはなにか」
情報化とグローバル化の中におけるさまざまなバリア(身体、言語、性差、民族、空間など)をめぐるリアリティを、次代を切り開くための表現として展開していきます。
・6階ギャラリーの展覧会
「消費社会と均質化を乗り越えるアートの夢」
小山田徹×藤井光
・空きスペースをつかった作品展示
「バリアとしてのアート、アートが溶かすバリア、アートが活かす空間」
2階から7階の南側ガラス面での展示(北川貴好)や3階市民図書館をつかった「栞プロジェクト」(港千尋)、チューブ周辺を使った「5番チューブ再開発計画vol.6 Depth of Field」(石橋素+真鍋大度)など、作品との出会いがたくさん用意されています。
・アートプロジェクト&ワークショップ
「既知の世界から未知の世界への跳躍」
「せんだいめでぃあヲどり制作プロジェクト(フォルマント兄弟)」や「音と触覚で生活世界をなぞる」(光島貴之)など、伝統芸能と現代芸術、視覚芸術と触覚芸術など、異分野の交差によってバリアを照らし、その融和を図ります。
○障害のある人のアートを仕事に!
[エイブルアート・カフェ in 仙台]
12月4日(土) 13:30~17:00
せんだいメディアテーク7F goban tube café
30人(申し込み先着順) 参加費500円
障害のある人のアート作品を社会に発信するエイブルアート・カンパニー。作品を商品化したり、デザインとして使うことのできる仕組みを提案しています。
カフェ形式のオープンな場で東北の関係者と集います!!
期間限定ショップHUMORA[ユーモラ] 12月上旬@仙台パルコ
 
;
○仙台・冬の魅力
「SENDAI光のページェント」と題し、光のイルミネーションがまち全体を彩り、ふだんとは違うロマンティックな仙台の景色が楽しめます。また、仙台の冬の味覚、牡蠣鍋や定番の牛タンなどもぜひお楽しみください。
■申し込み方法
以下の手順で手続きをお願いいたします。
1.参加費をご入金ください。
郵便局の郵便振替をご利用ください。払込用紙の通信欄に「振込内容(内訳)」をご記入ください。払込用紙の受領票をもって領収証に代えさせていただきます。振込手数料はご負担願います。
口座記号・番号 00920-4-252135 加入者名 アートミーツケア学会
3.お申し込み完了となります。当日は受付でお名前をお知らせください。
申し込み期限 12月3日(金) 定員150人に成り次第、締め切ります。また、定員のあるツアーやワークショップも定員になり次第、締め切ります。
*いったんご入金いただいた参加費は、原則としてご返金いたしかねます。また、新型インフルエンザ等の影響で大会を中止させていただくことがあります。あらかじめ、ご了承ください。
|
一般(学会員)
|
学生(学会員)
|
両日(11日 12日)
|
4,000(3,000)円
|
2,000(1,500)円
|
交流会
|
3,000円
|
3,000円
|
宮城県立子ども病院ツアー
|
2,500(2,000)円
|
2,000(1,500)円
|
*学会員以外のみなさまもご参加いただけます。
お問い合わせ・お申し込み先
アートミーツケア学会[事務局]
奈良市六条西3-25-4 財団法人たんぽぽの家内
Tel.0742-43-7055 Fax.0742-49-5501 E-mail.art-care@popo.or.jp